1:園芸薬品って?
作物の生産者が使用している農業用の農薬類を、小容量・分包、または容器を使いやすくすることで
家庭園芸用に包装している商品のことです。
(1)庭木や趣味園芸で栽培される植物の病害虫に効果があること
(2)人畜毒性が低いものであること
(3)使い方が簡単であること
この3つを基準に家庭園芸用薬品として商品化されてるんです。
また、最初から家庭園芸薬品としてエアゾール剤やスプレー剤などもあるんです。
庭木や趣味園芸で栽培される 植物の病害虫に効果がある小容量にした薬品 |
エアゾール剤 | スプレー剤 |
2:そのほかの薬品
栽培しているとよく見かけられますが、植物に直接害を加えないアリやワラジムシ、ヤスデなどを 退治したり寄せ付けないようにする薬品もあるんです。 「不快害虫剤」と区分されますが、これは生活害虫防除剤協議会で、安全性、有効性、安定性、記載事項 等の基準を設け、クリアした商品に「登録マーク」をつけることが認められて販売されてるんです。 ※一般的に、ゴキブリ、ハエ、蚊などの衛生害虫を防除するために家庭で使われる薬剤は薬事法 で規制されております。園芸薬品は農薬取締法で規制されてるので同じ有効成分を含むものでも 分類が分けられます。
おもな不快害虫剤 |
登録マーク |
3:農薬の毒性
毒性は大きく二つに分けられます。
・人畜毒性:人や動物に対する毒性のこと。
毒性は4段階に分類されます。
※日本国内で製造される家庭園芸用薬品はほとんどが普通物です。ただし、無毒ではないので取り扱いには十分気をつけましょう。
・魚毒性:水産動植物に関する毒性のこと
4:園芸薬品の種類
園芸薬品にもいろいろ種類がございます。
・殺虫剤:害虫を退治する薬剤のこと。
・殺菌剤:草花の病気の予防や治療に使う薬剤のこと。
・殺虫殺菌剤:害虫の退治と病気の治療を一緒に行う薬剤のこと。
・除草剤:雑草の防除を行う薬剤のこと。
・植物調整成長剤:植物の成長を促す薬剤のこと。
・展着剤:水で薄めて使う薬品に混ぜて、葉や害虫への付着性を高める薬剤のこと。
5:剤型の種類
用途に合わせてエアゾール剤、スプレー剤乳剤等といった剤型がございます。 剤型によりそれぞれ利点や注意点があるので、それを踏まえた上で正しく使いましょう。
エアゾール剤
購入後そのまま使える薬剤です。
利点 | ・ボタンを押すだけで手軽に使える。 ・広いお庭でも、応急用として利用できる。 ・害虫退治と病気を一緒に退治する商品もある。 |
注意点 | ・植物に近づけて散布することで低温障害を起こすので必ず30cm以上離して使用すること。 ・過剰散布(葉がビショビショになるまで散布)によって、薬剤の成分や溶剤により薬害の可能性があること。 |
スプレー剤
ハンドスプレーのタイプでそのまま使える薬剤です。
利点 | ・薄める手間が無く、そのまま使える。
・近接散布をしても低温障害にならないこと。 ・ピンポイントで散布できること。 |
注意点 | ・大量散布には不向きであること。 |
粉剤
粉状で手で撒くタイプの薬剤です。(不快害虫剤に多いタイプ。)
利点 | ・散布跡がわかりやすく、掛けムラを防止できること。 |
注意点 |
・不快害虫剤を散布する際には植物にかからないようにすること。 ・粉状なので、風の強い日の散布を避け、薬剤の飛散や吸入に気を付けること。 ・不快害虫剤を散布する際には植物にかからないようにすること。 ※散布の際は必ず手袋とマスクを着用しましょう。 |
粉剤
粒状で手で撒くタイプの薬剤です。(除草剤に多いタイプ)
利点 | ・そのままパラパラと散布できること。 ・長期間効果が持続する商品の種類が多いこと。 |
注意点 | ・乾いた土に巻く際には一度散水して湿気を持たすこと。 ・除草剤の粒剤タイプは背の高い植物には不向きであること。 ・一般的に遅効性(効き目が遅い)であること。 ※散布の際は必ず手袋とマスクを着用しましょう。 |
ペレット剤
ペレット状で手で撒くタイプの薬剤です。(主に夜行性害虫)
利点 | ・夜活動する害虫(ナメクジ、ネキリムシ、ヨトウムシなど)に 効果的であること。 ・植物が加害される前に、害虫に食べさせて退治できること。(誘引殺虫) |
注意点 | ・雨の降る心配のない夕方に散布すること。 ・柔らかくなったり、カビが生えると誘引効果が下がるので 撒いた後の水やりに注意すること。 ・犬猫などのペットが食べないようにすること。 |
乳剤
使用する際、水で薄めて乳白色になる薬剤です。
液剤
使用する際、水で薄めても乳白色にならない薬剤です。
※そのまま使える液体除草剤などもございます。
フロアブル剤
微粒子状の成分を水に分散させた液状の薬剤です。
利点 | ・少量の薬剤を薄めて使うので大量の散布液が作れ経済的であること。 |
注意点 | ・使用上の注意に従って正しい希釈液を作らなけれなならないこと。 ※高濃度すぎると薬害など、植物に悪影響を及ぼすことがあります。 ・一度希釈した液剤は保管できないので使い切る量を作ること。 ・散布の際は噴霧器を使用すること。 ※散布の際は必ず手袋とマスクを着用しましょう。 |
水和剤、水溶剤
粉状で手で撒くタイプの薬剤です。(不快害虫剤に多いタイプ。)
利点 | ・少量の薬剤を薄めて使うので大量の散布液が作れ経済的であること。 ・家庭園芸用のものは文包されていて、散布液が作りやすいこと。 |
注意点 | ・希釈液には必ず展着剤が必要であること ・一度希釈した液剤は保管できないので使い切る量を作ること。 ※散布の際は必ず手袋とマスクを着用しましょう。 |