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園芸薬品 基礎知識
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大切なお花を駄目にしてしまう病害虫は、沢山の種類があります。 ここでは、良く見受けられる病害虫についてご紹介します。 病害虫の主な特徴や発生時期などを知っておくことで、対策や対処を行いましょう。

1:代表的な害虫

害虫は大きく分けて2つのタイプに分けられます。

吸汁性害虫:植物の汁を吸う害虫。
食害性害虫:植物の葉、茎、幹などを食い荒らす害虫。
ほとんどの害虫は肉眼で確認できるのですが、センチュウやハダニなどの肉眼では確認できず、
被害状況が病気と似つかわしいものもあります。

吸汁性害虫 カメムシ目 アブラムシ、カイガラムシ、カメムシ コナジラミ、グンバイムシ
アザミウマ目 アザミウマ
ダニ目 ハダニ、ホコリダニ、サビダニ、ネダニ
ハリセンチュウ目 ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ
食害性害虫 チョウ目 アオムシ、ヨトウムシ、ネキリムシ、チャドクガ、イラガなどの蝶や蛾の幼虫
コウチュウ目 コガネムシ、ハムシ、テントウムシダマシ、ゾウムシ、カミキリムシ
ハチ目 ハバチ、チュウレンジバチ、クキバチ、タマバチ
ハエ目 ハモグリバエ、ミバエ、タネバエ
マイマイ目 ナメクジ、カタツムリ
ワラジムシ目 ダンゴムシ
バッタ目 コオロギ、バッタ
2:主な害虫の特徴

ここでは、良く被害の見られる外注の特徴を紹介します。

アブラムシ

主な寄生植物 ・植物全般。(花木、果樹、庭木などにも)
多発生条件 暖冬の翌春。春の晴天・少雨。20〜25℃くらいでやや乾燥〜敵湿時に発生しやすい。
 ※気候条件が整うと春、秋の2回発生する。

 (暑すぎると死滅するので、夏が猛暑だと2回目が発生しにくい。)
栽培管理の工夫 ・こまめに観察すること。
・肥料のやりすぎ(窒素:Nの過多)に注意すること。
・適度な剪定と花柄摘み(風通し、日当たり良くする)
薬剤利用 持続性のある浸透移行性薬剤
カイガラムシ

主な寄生植物 ・草花、蘭類、花木、果樹、庭木
多発生条件 日当たり、風通しの悪い陰湿環境
・5月下旬〜9月中旬くらいに発生
 ※幼虫は脚があるが移動しない
(コナカイガラムシなどは足が発達しており移動する種類もいます)
すす病やこうやく病を併発します。
防除方法 ・幼虫を見つけたら歯ブラシ等で削り落とすこと。
 ※幼虫は落とすことで移動できず死亡します。(コナカイガラムシ除く)
・多発した被害枝は剪定すること。
・風通し、日当たり良くすること。
薬剤利用 ・専門薬を利用(カイガラムシエアゾールなど)
カメムシ

主な寄生植物 ・草花、野菜(トマト、オクラ、ピーマン、枝豆)果樹(ぶどう、なし)などのの植物。
多発生条件 前年多発。暖冬。杉の球果が豊作。秋の台風後
4月初旬〜10月末くらいに発生
 ※近年は特に枝豆につく被害が多発
防除方法 ・こまめに観察すること。
・温床となる雑草防除
薬剤利用 農薬と不快害虫剤の使い分け利用
・春先の成虫、夏場の幼虫が植物を加害。夏以降に室内への侵入が目立つ。
・発生場所が畑なのか家なのか、使用場面を良く確認して下さい。
コナジラミ

主な寄生植物 ・草花、バラ、野菜など
多発生条件 オンシツコナジラミ(5〜7月 気温20〜25℃)
・タバココナジラミ(9〜11月 気温25〜30℃)
栽培管理の工夫 ・こまめに観察すること。(とくに葉裏)・ ・風通しを良くすること
薬剤利用 浸透移行製剤の利用
・一度の散布薬剤では退治できないので撒くタイプの浸透移行性剤や速効性のスプレー剤などの併用がお勧めです。
グンバイムシ

主な寄生植物 ・ツツジ、サツキ、プラタナス、ナシなど
多発生条件 風通しが悪く高温乾燥
・6月初旬〜8月末くらいに発生
・年に3回以上発生し主に成虫で越冬します。
薬剤利用 浸透移行製剤の利用
アザミウマ(別名:スリップス)

主な寄生植物 ・植物全般。(花木、果樹、庭木などにも)
多発生条件 暖冬。春の高温、春〜初夏の少雨で6〜7月に多発生。
栽培管理の工夫 ・栽培管理の工夫
薬剤利用 浸透移行製剤の利用
ハダニ

主な寄生植物 ・植物全般。(花木、果樹、庭木などにも)
多発生条件 高温乾燥。株の密植とその周辺雑草。
・真冬を除くほぼ1年中発生の恐れがある。
・幼虫は条件が整うと10日で成虫になる。
栽培管理の工夫 ・こまめに観察すること。
・乾燥に注意し、適度に葉水を
・風通しを良くすること
専門薬の利用 ・ハダニは薬剤抵抗性が発達しやすいので、汎用性のある薬剤で応急的に防除し、専門薬を使って防除(ローテーション散布することが良い)
ケムシ類

主な寄生植物 ・植物全般。(花木、果樹、庭木などにも)
多発生条件 各種類の発生条件に合致した気候時
 ※その年々で種類により違います。前年も多発した場所ではその年も多発する傾向があります。
栽培管理の工夫 ・こまめに観察すること。
・若齢期は群生することが比較的多いので、見つけたら枝ごと剪定すること。
薬剤利用 専門薬の利用
短期間に食害が進むので速効性の専門薬で短期集中退治がお勧め。
コガネムシ

主な寄生植物 ・成虫 花木、果樹などの葉、花、幼虫 野菜、草花、果樹、花木などの根
多発生条件 ・5〜9月に主に発生し、芝生や荒れた雑草地に見られる
栽培管理の工夫 見つけ次第捕殺。土を耕した時なども幼虫を見つけたらすぐ捕殺すること。
薬剤利用 専門薬の利用
コガネムシに登録のある速効性の薬剤や、撒くタイプの浸透移行性剤の併用で防除することをお勧めします。
ハバチ

主な寄生植物 ・チュウレンジバチ 主にバラ、カブラハバチ キャベツ、白菜など
多発生条件 ・そのハバチが寄生する植物が群生している場所
栽培管理の工夫 ・群棲する植物の種類は加害している葉や枝を切り取って取り除くこと。
若齢幼虫を早期発見するためによく観察すること
薬剤利用 専門薬の利用
ハバチに登録のある速効性の薬剤を散布することをお勧めします。
ハモグリバエ(別名:エカキムシ)

主な寄生植物 ・草花、野菜(3〜5月 10〜11月)
花木、庭木、果樹(7〜9月)
多発生条件 ・路地では春、秋に多発する傾向
栽培管理の工夫 ・食害跡の先端に幼虫がいる為、先端を押しつぶして退治すること。
薬剤利用 浸透移行性剤の利用
葉の中に生息してる
ので、撒くタイプの浸透移行性剤が有効です。
ナメクジ

主な寄生植物 ・植物全般
多発生条件 ・温暖で多湿時。
栽培管理の工夫 ・昼間は鉢底やブロックの下などに隠れていることが多いので、こまめに確認すること。(基本的に夜行性です。)
薬剤利用 誘引殺虫剤を利用
ナメクジ登録のある誘引殺虫剤を鉢花の周りに撒いて夜に食べさせて 退治することがお勧めです。
ダンゴムシ

主な寄生植物 ・植物全般
多発生条件 ・多湿で落ち葉や枯れ草などの手入れの届いてない場所に注意。
栽培管理の工夫 ・こまめな掃除、除草をすること
薬剤利用 不快害虫剤を利用
ダンゴムシ登録のある不快害虫剤を生息場所に散布することがお勧め。
コオロギ

主な寄生植物 ・草花、野菜など
※茎葉が食害され、特に幼苗の被害が多く、食べられて枯死することがある。
栽培管理の工夫 ・こまめに観察し、見つけたら捕殺すること。
薬剤利用 不快害虫剤を利用
コオロギ登録のある不快害虫剤を生息場所に散布することがお勧め。

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